猫の健康管理を徹底解説|体調チェックのポイントからケア方法まで

猫の健康管理を徹底解説|体調チェックのポイントからケア方法まで
2025年2月21日
猫の健康管理を徹底解説|体調チェックのポイントからケア方法まで

猫の健康管理を徹底解説|体調チェックのポイントからケア方法まで

猫の健康管理、正しくできていますか?家族の一員である猫には元気でいてほしいもの。
でも、何を指針にチェックすればいいのか、分からないことも多いものです。
そこで本記事では、猫の健康管理を簡単に実践できる方法を分かりやすく紹介します。
毎日の体調チェックや食事管理、トイレの状態まで、猫の健康状態の見極め方を身につけて猫との楽しい暮らしを送りましょう。

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1.毛艶は艶やかか?

猫の健康状態を判断しやすいポイントとして、毛艶があります。
良好な毛艶は健康な証。毛の艶が良ければ、猫の体調が整っているといえます。

一方で毛艶が悪くなったり、毛が抜けやすくなったりした場合、栄養不良やストレス、病気の兆候の可能性も否定できません。
食事の見直しや、健康診断を受けることを検討しましょう。

2.目に輝きがあるか?

目にも注目してみましょう。
健康な猫の場合、目には充血がなく黒目が透き通っており、全体的に輝きがあります。

目ヤニが少なく、目の周りに汚れがついているようだったら、さらに注意深く観察してみましょう。
少量の透明な目ヤニは問題ありませんが、黄色や緑色の目ヤニが増えたり、こびりついたりしている場合は、健康上の問題がある可能性も。

また、涙が過剰に出ている、目が充血しているといった異変が見られる場合も、アレルギーや炎症のサインかもしれません。異常が続く場合は早めに診察を受けましょう。

3.耳は清潔か?

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猫の耳は適度に清潔で、ピンク色をしている状態が理想です。
猫の耳垢は多くが黒い汚れとして出てきますが、耳のシワの溝に少量ついている程度であれば問題はありません。
ただし、耳垢が多い、悪臭がする、赤く腫れている場合などは耳ダニや感染症の疑いがあるため、注意しましょう。

また、耳を頻繁に掻いたり、頭を振る行動が増えた場合も要注意です。
定期的に耳をチェックし、異常があれば動物病院で診てもらいましょう。

さらに耳掃除を行う場合には、綿棒は使用せず、専用のクリーナーや湿らせたコットンで優しく拭き取るようにしましょう。
猫の耳は皮膚が薄く繊細なため、力を入れずに撫でる感覚で掃除することがコツです。

4.便や尿の状態は正常か?

猫の健康状態を知る手掛かりとして大切なのが、排泄物です。
便の形状や尿の色、回数にも注意を払いましょう。
本来、排便回数は1日1〜2回で、便の色は与えているフードと似ている色が理想的です。

下痢や便秘、尿の色が濃い、頻繁にトイレに行く場合などの異状が見られる場合には、腎臓や消化器系のトラブルが考えられます。
早期の動物病院への受診をおすすめします。

5.食欲はあるか?水分摂取しているか?

健康な猫は食事をしっかりと食べ、水分も十分に摂取します。
食欲がない、もしくは水分をあまり摂らない場合は、消化不良や腎臓の問題が考えられます。
食事内容や水の摂取量に注意し、異常を感じたら早めに受診しましょう。

なお、成猫の1日の食事量の目安は、体重1kgあたり約40〜50kcalとされています。
例えば、体重4kgの猫であれば、1日に160〜200kcalの摂取が目安となります。
キャットフードのパッケージにはカロリー量や適正な給餌量が記載されているため、フードの種類(ドライ・ウェット)に応じて調整しましょう。
ドライフードは100gあたり約350〜450kcal、ウェットフードは約70〜100kcalとカロリー密度が異なるため、適量を意識することが重要です。

また、水分摂取の目安は体重1kgあたり40〜60mlとされています。
体重4kgの猫であれば、1日あたり160〜240mlの水分を摂るのが理想的です。

ウェットフードを食べている猫は自然と水分摂取量が多くなりますが、ドライフード中心の猫は飲水量が不足しがちです。
こまめに水を替えたり、目安の水分摂取量を満たしてあげられるよう、工夫を凝らしましょう。

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1. 年齢や体調に合わせたフードを選ぶ

猫の健康を管理するためには、食事に気を配ることが大切。

といっても、子猫、成猫、シニア猫では必要な栄養素も異なります。
猫の年齢や健康状態から最適なフードを選ぶように意識しましょう。
また、アレルギーなどの体質や消化不良などの不調がある場合にも、猫の健康状態に適したフードを選ぶことが必要です。

2. 猫に必要な栄養素を把握する

猫の食事において意識すべきポイントは、適切な栄養バランスです。
肉食動物の猫にとって、とくにタンパク質や脂質は体の機能を支えるために重要な栄養素。
高品質の動物性タンパク質を多く含む食事が理想的と言えます。

また、ビタミンやミネラルも欠かせません。
猫は体内で合成できない栄養素としてタウリン、ビタミンA、ビタミンD、アラキドン酸などがあり、これらを食事から適切に摂取することが必要です。
フードを選ぶ際は、これらの栄養素がバランスよく含まれていることを確認しましょう。

猫に必要な主な栄養素と役割

左右にスクロールしてご覧ください

栄養素 主な役割 主な食品
タウリン 目や心臓、肝臓の健康維持、健康な発育と成長 肉、魚(とくに肝臓や骨髄)
ビタミンA 視力維持、免疫強化、皮膚・被毛の健康 レバー、卵、魚
ビタミンD 骨と歯の健康維持、カルシウム代謝の調整 イワシ、マグロなどの脂肪分の多い魚、レバー
アラキドン酸 皮膚・被毛の健康、脳機能の維持 肉、魚、卵

3. 食べ過ぎや偏食に気をつける

猫の健康を維持するためには、適切な量の食事を与えることが重要です。

猫は自分で食事量を調整するのが苦手なため、飼い主が適量をコントロールしましょう。
また、特定のフードやおやつばかりを食べると栄養が偏る可能性があるため、バランスの取れた食事を与えることを心がけましょう。

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1.ワクチンと寄生虫対策

「家猫は外に行かないから予防はしなくても大丈夫」と思う方もいますが、実は猫にワクチンは必要不可欠です。

病原体や外部寄生虫などは、知らない間に外出中の人の体や衣服などに付着し、室内に侵入することがあります。
そこからの感染を防ぐためにも、必ず混合ワクチンを接種しましょう。

猫の混合ワクチンは、3種、4種、5種の三種類があります。

3種ワクチンが対応する病気

  • 猫ウイルス性鼻気管炎
  • 猫カリシウイルス感染症
  • 猫汎白血球減少症

4種ワクチンが対応する病気

  • 猫ウイルス性鼻気管炎
  • 猫カリシウイルス感染症
  • 猫汎白血球減少症
  • 猫白血病

5種ワクチンが対応する病気

  • 猫ウイルス性鼻気管炎
  • 猫カリシウイルス感染症
  • 猫汎白血球減少症
  • 猫白血病
  • 猫クラミジア感染症

以上に挙げた病気のなかには、重篤化すると命に関わるものもあるため、必ず接種するように意識しましょう。
とくに外に行く猫や多頭飼育の場合は、4種ワクチン以上を接種することが推奨されています。

またワクチンの接種のペースとしては、子猫の頃に2〜3回、その後は3年に1回の接種が推奨されています。

2.健康診断(キャットドック)の重要性

猫も人間と同じように、定期検診によって思わぬ病気や健康トラブルを早期発見・対処することができます。

通常、1歳を超えた場合で年に1回は健康診断が推奨されています。
子猫やシニア猫、基礎疾患がある猫などはさらに頻繁に診察を受けましょう。

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1.爪切り・体重測定・ブラッシング・シャンプー

ここからは日常的に心がけたい猫のヘルスケアを紹介していきましょう。
猫の爪は伸びすぎると、肉球に刺さったり(巻き爪)、折れてしまう恐れがあります。定期的な爪切りを行いましょう。

また、体重測定やブラッシングを習慣にすると、体型の変化や被毛・皮膚の異常に気付きやすくなります。
とくに長毛種は毛玉ができやすいため、こまめなブラッシングが必要です。
さらに、猫種や体質によっては皮脂が多く分泌され、シャンプーが必要な場合もあります。

ご家庭の愛猫に合わせて、最適なケア方法を見つけましょう。

2.歯磨き

猫の歯は、人間と比べて歯石ができるスピードが早く、1週間も経たないうちに歯垢が歯石に変わってしまいます。
歯石が蓄積すると、歯肉炎や歯周炎、口内炎などの口腔トラブルを引き起こす原因になるため、早めのケアが大切です。

理想は毎日の歯磨きですが、難しい場合には週に2〜3回を目安に続けていきましょう。
最初はガーゼや専用シートで歯を拭うことから始め、徐々に歯ブラシに慣れさせるのもおすすめです。

歯の健康を守ることは、愛猫の食欲や生活の質にも良い影響を与えます。
できる範囲で無理なくケアを取り入れましょう。

3.おしり周りのケア

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猫の健康を守るためには、おしり周りの清潔を心がけることも大切です。
排便後に汚れが残っていると、不快感を与えるだけでなく、皮膚の炎症や感染症の原因になることもあります。

とくに長毛種の猫は毛に排泄物が絡まりやすいため、こまめにチェックし、必要に応じて優しく拭き取るようにしましょう。
ぬるま湯で湿らせたコットンや、ペット用のウェットティッシュを使うと肌への負担を抑えられます。

また、トイレの清潔を保つことも重要です。
汚れたままのトイレでは猫が排泄を嫌がり、便秘や尿路トラブルにつながることがあります。
こまめな掃除と適切な砂の管理を心がけ、猫が快適に過ごせる環境を整えましょう。

1.病気の兆候に気づく方法

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猫の健康を守るためには、日頃の観察が何よりも大切です。
猫は体調不良を隠しやすい動物のため、小さな変化を見逃さないようにしましょう。

普段から食事の量や回数、排泄の様子、行動パターンを把握しておくと、異変に気づきやすくなります。
例えば、急に食欲が落ちた、水を飲む量が増えた、トイレの回数が増減したなどは、病気のサインかもしれません。

少しでも異常を感じたら、迷わず動物病院で診察を受けることが大切です。
たとえ問題がなかったとしても、早めの対応が愛猫の健康を守ることにつながります。

2.事故やケガの予防

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猫は遊びや運動中に予想外の事故やケガをすることがあるため、安全な環境づくりが欠かせません。
例えば以下のようなポイントに気を付けることで、事故やケガの可能性を未然に防ぎやすくなるでしょう。

  • キッチンの刃物やコンロは、誤って触れないよう対策をする
  • 誤飲の危険がある小さなもの(ヘアゴム、ボタン、紐など)は手の届かない場所にしまう
  • 窓やベランダは転落防止のために施錠やネットを設置する
  • 家具の隙間や高い場所に注意し、挟まったり落下しない工夫をする

万が一の場合に備え、少しでも猫にとって危険性を感じられるものは対策することが吉。
愛猫が安心して過ごせる環境を整えましょう。

1. 信頼できる病院の選び方

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愛猫の健康を守るためには、信頼できる獣医師のいる病院を選ぶことが重要です。
いざという時に適切な診察や治療を受けられるよう、事前に病院をリサーチしておきましょう。

病院を選ぶ際には、以下のポイントをチェックすると安心です。

  • 獣医師の対応や説明が丁寧で分かりやすいか
  • 猫の診察に慣れているか(猫専用の診察スペースがある病院もおすすめ)
  • 診療時間や設備(夜間診療・入院設備の有無など)が整っているか
  • 待ち時間や混雑具合はどうか

実際に病院を訪れ、雰囲気やスタッフの対応を確認しておくと、いざという時にスムーズに通院できます。

2. 病院に連れて行くタイミング

猫の健康を維持するためには、異変を感じたときにすぐ受診することが大切です。
病気のサインについては「5-1. 病気の兆候に気づく方法」を参考にしましょう。

また、年1回の健康診断を受けることで、病気の早期発見につながります。
とくにシニア猫(7歳以上)になると病気のリスクが高まるため、半年に1回の健康診断を検討するのもおすすめです。

猫の身に異変があってから病院を探し始めると、適切な治療を受けるタイミングを逃してしまう可能性もあり得ます。
猫を迎え入れる前に、通える範囲の動物病院をリサーチし、信頼できる病院の目星をつけておきましょう。

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猫は自分の不調を隠してしまう動物。だからこそ、さりげなく見守れる存在があると安心です。
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スマホで日々の変化を確認できるため、小さな異変にもすぐ気づけます。

「最近、トイレの回数が減ったかも…?」そんな不安を、データで確かめられるのが心強いポイント。
「ペットケアモニター」で忙しい日も、外出先からでも、大切な家族の健康を見守りましょう。

猫の健康管理は、日々の小さな工夫で実践できます。
体調チェックや食事管理、ケアを通じて、愛猫の健康を守りましょう。
小さな変化にも気づけるよう、普段から注意を払うことが大切です。
健康な猫との暮らしを楽しむために、できることから始めてみてください。

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